農泊施設運営者インタビュー1

【R50 Traditional House Tochigi Japan】代々引き継がれてきた建物を宿泊施設に改装。訪れた人たちとのささやかなコミュニケーションを楽しむ神山さん

農泊のモニターツアーから始まった宿泊者の受入れ

私たちが宿泊施設を始めたきっかけは、孫が泊まれるようにしたい気持ちと、農泊のモニターツアーでした。

それまでは宿泊施設の運営経験は無く、私たち夫婦にとって新しい挑戦。さらに、モニターツアーには日本語学校に通う生徒さんを受入れる予定だったので、コミュニケーションが上手く取れるか心配でした。

R50 Traditional House Tochigi Japanの外観

実際に生徒さんたちと接してみると、ある程度のコミュニケーションは日本語で取れたので一安心。カタカナ表記された生徒さんたちの名前を漢字に変換し、筆で書いて渡したときにはとても喜んでくれました。

また、台湾の女子高校生が泊りにきた時には、玄関口で音楽に合わせて踊りを披露してくれて、「良いところに泊った!」とにっこり。農泊のモニターツアーに参加した日本語学校の生徒さんたちとの交流は思い出深いものばかりです。

明治から残る建物を宿泊施設に改装

宿泊施設である建物は、明治の終わり頃に建てられました。年季が入り誰も住んでいなかったので取り壊しを考えたこともありましたが、宿泊施設として人が集まれる場所にすることに。

建物を支える立派な梁

天井を解体してみると、立派な梁が出てきたので埃をはらい塗装し直しました。とても綺麗になった今の様子を見返すと、代々引き継がれてきたものを壊さなくて本当によかったなと思います。

入口から建物内を見たときの印象が良くなるように壁を白い漆喰で覆い、昼は涼しく夜は暖かい空間を心がけ、使う色を極力減らしたシンプルな見た目にこだわりました。宿泊者が湯船にゆっくりと浸かって旅の疲れを癒したり、キッチンで料理したり、ソファーでくつろぎ暖炉を眺めたりなど、思い思いの時間を過ごせる場所となっています。

白い壁と温かみのある雰囲気がある入口

訪れた人たちとのささやかなコミュニケーション

宿泊者の中には遠方から訪れる人たちもいます。驚くことに、東京から泊りに来て2週間ほど連泊した人もいました。軽井沢や日光、大洗を目的地とした旅行者が夕方頃に訪れ、朝方に出発したことも。まるで止まり木のような感覚で休んで旅立っていきました。

自転車の貸出しも行っているのでふらりと周辺を見て回ることもできる

訪れた人たちが帰るタイミングを計るために、自宅から様子を伺うこともあります。帰り際に声をかけて宿泊の感想を聞いた後、一緒に写真を撮ることもありました。宿泊者とコミュニケーションを取れる機会は限られていますが、若い人と話すのは刺激になりますね。

宿泊施設の運営も徐々に慣れてきまして、訪れるお客さんの中にはこの場所を大切に想ってくれる人もいます。お手紙のやり取りをしたり、写真を送ってきてくれたり、「また泊りに来たい」と言っていただけると本当に嬉しいです。

宿泊者の要望に合った設備の補充や宿泊環境の維持など、手間がかかることもあります。しかし、定年退職して社会との繋がりが薄れ、交流の機会が減ってきた状況のなか、宿泊に訪れた人たちとの出会いが生まれました。これに関しては農泊・宿泊を始めて良かったと、しみじみと思います。

宿泊施設の基本情報

  • 宿泊施設名:R50 Traditional House Tochigi Japan
  • 施設運営者:神山ご夫婦
  • 定員:6名
  • おおまかな場所:いちごの里の南
  • 予約:https://www.airbnb.jp/rooms/35651704

この記事を書いた人

藤本 尚彦

一般社団法人カゼトツチに所属。居場所を増やすこと、個人や団体の想いを地域の方々に届けることをテーマに活動中。
「地域の課題に取り組む方々の想いを届けて、協力者を増やしたい!」

 

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